出生前診断の種類と病院の選び方|精密超音波検査ができる医師の探し方も解説

出生前診断

「妊娠中に出生前診断を勧められたら、どうすればいい?」
産婦人科で「首のむくみが厚い」と言われ、出生前診断を勧められたはる子。
どの検査を選ぶべきか、どの病院がいいのか、すぐに分からず戸惑いました。
この記事では、私の実体験をもとに、出生前診断の種類や病院の選び方をはる子の視点で詳しく解説します。

妊娠発覚とアトピーの不安

結婚して1年が経ったころ、妊娠が発覚した。当時33歳。妊娠は嬉しかったが、アトピーの症状がひどく、「この体で妊娠・出産できるのか?」と不安だった。特に、乳頭の浸出液や首元の湿疹が気になり、授乳への影響も心配だった。

しかし、完治を待っていたら妊娠のタイミングを逃すかもしれないという焦りもあり、悩みながらの妊娠生活が始まった。

悪阻と入院、そして出生前診断の勧め

妊娠5週ごろから悪阻が本格化し、妊婦健診のために評判の良い産婦人科を受診。順調にすすみ心拍は無事に確認できたが、その後悪阻が悪化、ついには入院することに。妊娠とは、こんなにも大変なものなのかと実感しながら、毎日を乗り越えていた。

そして妊娠12週を過ぎたころ、医師から衝撃の一言を告げられる。

「ちょっと首の後ろのむくみが厚いんだよね……出生前診断とか、興味ある?」

まさか、自分がこんな言葉をかけられるとは思っていなかった。

出生前診断を受けるかどうかの決断

医師から勧められたのは NIPT(新型出生前診断)。確定診断にはならないが、染色体異常の確率を知ることができる検査だった。

実は、私はもともと出生前診断に少し興味があり、一般産婦人科健診での超音波機器(以下、エコーと呼ぶ)ではむくみの厚さを正確に測ることが難しいことを知っていた。より正確な診断を受けるためには、精密な超音波機器と、その技術を持った医師が必要 なのだ。

とはいえ、家の近くでどこで受けられるのか分からず、まずはクリニック探しからスタート。しかし、これがなかなか難しい。

  • カウンセリングだけで数万円かかる クリニックがある
  • 予約がすぐに取れない ところも多い
  • 出生前診断に精通した医師がいるクリニック自体が少ない

自分が医師といえど都合よく診てもらえるわけでもないし知り合いがいるとも限らない。途方に暮れながらも、知人の医師に相談。運よく、片道2時間以上かかる病院で診てもらえることになった。

なぜ私がこんなに急いでいたのか?

  • 一般的な産婦人科で「厚い」と指摘された時点で、相当な異常がある可能性が高い→精密なエコーを使っていないのに厚さが分かるほど厚いということになるため
  • 自分のエコーの知識から見ても、確かに異常があると感じた
  • 妊娠が進むにつれ、母体の負担が増えることが懸念された(アトピーも悪化していた)
  • 何よりも 「分からないまま待つ時間」 が耐えられなかった

不安と恐怖に支配されながら迎えた診察日。

「むくみの厚さは7mm、心臓に2か所の逆流、そして頻脈……染色体異常の確率は限りなく高い」

精密エコーで上記所見を告げられ、居ても立ってもいられないいられなかった私は確定診断である 絨毛検査 を即日実施してもらうことに決めたのだった。

結果は18トリソミーだった

絨毛検査の結果が出るまでの1週間は、途方もなく長く感じた。

結果は「18トリソミーの女の子」だった。

報告の電話を受けたとき、手が震えた。旦那と一緒に泣きながら、今後どうするかを話し合った。

18トリソミーの予後は厳しい。

  • 妊娠中に67.5%が流死産
  • 出生後1年の生存率は10%
  • 重度の精神遅滞を伴う

そして結果的に、我が子の心拍は聞こえなくなり、残念ながら死産となってしまった。

この体験を通じて伝えたいこと

私は出生前診断の専門家ではないが、医学知識がある私でさえ、情報を整理し、冷静に判断することが難しかった。

では、医学の知識がない妊婦さんはどうなるだろう?

「この検査ってどういう意味?」
「もし異常があったらどうする?」
「病院の説明が難しくて分からない……」

そういった不安を抱える妊婦さんに、少しでも役に立つ情報を届けられたらと思い、この記事を書くことにした。

出生前診断を受けるかどうかは、妊婦によって考え方が違う。大事なのは 「自分で納得した上で選択すること」 だと思う。

この経験をもとに、別の記事で

  • 絨毛検査の具体的な手順
  • 実際に受けてみての感覚や痛み
    なども詳しく紹介していく予定。

精密エコーができる医師の見分け方

出生前診断を検討するなら、 「正確な診断ができる医師かどうか」 を見極めることがとても重要になる。

✔ こんなポイントで選ぼう
FMF(胎児医学財団)認定医かどうか
 → 日本ではまだ少ないが、国際的な資格を持つ医師は信頼できる
母体胎児医学会の認定施設かどうか
 → 胎児超音波検査に強い病院を探す目安になる
胎児超音波の経験が豊富な医師がいるか
 → 産婦人科医でも、出生前診断に特化していない医師がほとんど、というか別分野に近いかも。

👉「産婦人科ならどこでもいい」というわけではなく、出生前診断を行っているクリニックはクリニック名に「出生前診断」とか「FMF」、「胎児」などなどのキーワードが入っていることが多い印象。なのでそれをもとに検索する方法あり!

最後に

出生前診断をするかどうか、結果がどうなるか、どんな選択をするのか――すべては妊婦さんや家族の気持ち次第。

ただ、一つ言えるのは 「知らないままでは選べない」 ということ。

この記事が、出生前診断を考えている人の 「知識をつける手助け」 になれば幸いである。

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