はじめに
現在、私は全前置胎盤と診断され、出産に向けて管理入院を控えています。
この記事では、私が病院で実際に受けた「前置胎盤」に関する説明内容を、できる限りそのままの言い回しで、妊婦さんや手術を控える方に向けてご紹介します。
さらに前置胎盤と診断されて、癒着胎盤や子宮摘出の言葉に不安でいっぱいだった時、私が実際に病院で受けた説明と、冷静に考えてみたら気持ちが少し落ち着いたのでその内容を、不安になってしまった皆様にもお届けしたいと思います。
前置胎盤の分娩週数について
前置胎盤の平均的な分娩週数は妊娠35週前後です。
これは妊娠36〜37週台で帝王切開を予定していても、約30〜50%の妊婦さんは正期産である妊娠37週に入る前に出血や早産の兆候が現れ、緊急帝王切開になるからです。
37週未満で出生された赤ちゃんは、状況により新生児科へ入院となることがあります。(状況により、ですよ。)
私自身も「なるべく37週までお腹にいてほしい」と思っていましたが、病院が想定内として準備してくれていると知るだけで、少し安心することができました。そしてそれ以前に生まれたとしても週数や呼吸の状態がよかったりその他リスクがなく特に問題がなければ全例NICUへ入る、ということでもなさそうでした。
前置胎盤と出血量について

通常の帝王切開の平均出血量は約800mlですが、前置胎盤の場合は約1500mlと、約2倍の出血が見込まれるそうです。
そのため、あらかじめ輸血の準備を行い、出血量が多い場合には準備した輸血単位を投与します。
また、オキシトシンという子宮収縮剤を子宮筋層に注射したり、点滴で投与したりします。
バスプレッシンという血管収縮作用のある薬を、胎盤剥離面に注射することで出血量の軽減を図ることもあります。
さらに、出血が止まらない場合は、子宮圧迫縫合法や子宮内バルーン止血法、子宮動脈塞栓法など、より専門的な止血処置がとられることもあるそうです。
正直なところ、ここまでする必要がある場合もあるのね、、
とちょっとナイーブな気持ちにはなりました。
癒着胎盤のリスクについて
前置胎盤の中には、癒着胎盤が隠れているケースもあります。
癒着胎盤では、胎盤が自然にはがれず、大量出血につながることがあり、場合によっては子宮の摘出を行うこともあります。癒着胎盤については事前にわかることもあるそうですが多くの場合は手術中にわかることが多いとのこと。
”子宮を摘出する”こともある、と聞くと嫌な気持ちになりますが、これは
救命
のためです。
それほど出血量が多く、止血も困難な状況、というときに実施するようです。命に変わるものはありませんし基本的にはここまでにならないよう、医師たちは万全の準備をします!
さらに私が通院していた病院では、大学病院であっても手術に直接研修医がかかわったり、経験の浅い医師が関与することはない、と説明は受けました。
これはちょっと安心できますよね。私もこの辺りは自分が研修医だったこともあるのでなんとなく想像はつきましたが、自分からちゃんと確認しましたよw 心配な方は聞いてみてもいいかもです。
医師がリスクを強調する本当の理由

病院で「大量出血」「癒着胎盤」「子宮摘出の可能性」さらには「母体死亡のリスク」などといった説明を受けませんでしたか?
「そんなに怖い話ばかりされても、逆に不安になる…」と感じた方もいるかもしれません。
私自身も医師でありながら、いざ自分が当事者になると、頭で理解できても不安な気持ちはぬぐえませんでした。
でも実は、医師ってそういうもんなんですw
なぜかというと、こうしたリスクの話は「万が一の事態に備えて、あなたの命を守る準備ができている」という、医師側からの“安心材料”のひとつの提案でもあるのです。
医師は基本的にはより安全に患者さんを扱いたしよりリスクが少なく経過してほしいんです。
だからこそ想定できるリスクをあらかじめ評価して、それらを回避するために現時点でできる対策は事前にやっておきたいということの裏返しなんですよー。
状況にもよりますが、リスクが高ければ高いほどいろいろな専門家の医師が意見を出しあい話し合い、最善策を練ったうえで対応します。それだけいろいろな医師を巻き込んでやります。
つまり医療チームが本気で“あなたと赤ちゃんの安全を守るために動いている”ことの裏返しなのです。
だからちょっと安心してくださいね!
不安を抱える妊婦さんへ

前置胎盤や癒着胎盤という言葉に強い不安を感じる妊婦さんも多いと思います。私自身も、実際に診断を受けてからは不安で過去の記憶をよみがえらせるため、再度医学書を手に取りましたw
けれど、医療者の立場から見ても、適切な管理と備えがあることで、多くの場合、安全に出産できる体制が整っているので過度な心配は無用ですよー。でも不安ですよね!でもそんなときもあって大丈夫、普通です✊!
そして、あなたは何も悪くない!
※この記事は、筆者が医療機関で実際に受けた説明をもとに、個人の体験として要約したものであり、医学的助言を目的としたものではありません。
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