元アトピー患者のはる子は、アトピーがひどかった7年ほど前からピラティスを始めた。当時はなんとか辛い日々を乗り越えたいがために、少しでもストレス発散になればと思って始めたのだが、アトピーが完治した今でも継続している。その歴史と魅力について今回はお話しようと思う。
アトピー経験者の体験談 ~はる子がピラティスを続ける理由~
私は、アラフォーの元アトピー患者であり、医師でもある。アトピーがひどかった頃、私はかゆみに支配され、夜もまともに眠れず、肌はガサガサ。さらに腰痛にも悩まされ、心身ともにギリギリの状態だった。そんな中で効果があったのだピラティスだ。
汗をかいては痒みがひどくなる当時は「運動なんてして大丈夫かな」と半信半疑だった。でも、実際にやってみると、終わった後は不思議と気持ちが落ち着き、汗をかいても肌のかゆみが和らぎ、顔の赤みさえ引いていることに気がついた。なぜだろう?そう考えながら続けるうちに、ピラティスは単なる運動ではなく、「体と心を整える習慣」だと実感するようになった。
ピラティスを続けることで、私は自分の体のクセに気づき、それを整えることで日常の何気ない動作が楽になった。たとえば、姿勢を意識するだけで肩こりや腰痛が軽減したり、ストレスをためにくい体の使い方が自然と身についたりする。これができるようになると、体が楽になるだけでなく、心も軽くなるのだ。
そして何より、私のピラティスの先生との出会いが大きかった。彼女はただの指導者ではなく、私に「人とのつながりが心と体に与える影響」を教えてくれた。どんな環境に身を置くか、誰と関わるかが、メンタルにも体の状態にも大きく関わるのだと気づかされた。もちろん体の使い方についても、だ。
女性の体は、思春期、生理、妊娠、出産、育児、仕事と、ライフステージごとに大きな変化を経験する。そのたびに体の負担も増え、メンタルも揺らぎやすくなる。でも、病気になってから慌てるのではなく、自分の体の状態を知り、微調整できる力を持っていることが何よりも大切だ。
ピラティスは、そんな「自己管理のツール」として、私にとって欠かせないものになった。アトピーに悩んでいる人も、そうでない人も、体と心を整える習慣としてピラティスを取り入れてみてほしい。きっと、今よりもっと「楽な自分」に出会えるはずだ。
そもそもピラティスとは?
ピラティスとは、ドイツ人のジョセフ・ピラティス氏が考案したエクササイズで、心・身体・精神を調和させながら体の機能を整え、健康を維持することを目的としているものである。
「10回で違いを感じ、20回で見た目が変わり、30回で体のすべてが変わる」という彼の言葉の通り、継続することで大きな変化が期待できるマインド・ボディエクササイズである。
ピラティスの歴史と変化

ジョセフ・ピラティス氏は1883年にドイツで生まれ、幼少期はリウマチ熱やくる病、喘息に苦しんでいた。彼は自身の健康を改善するために、「コントロロジー」と呼ばれる理論を考案。これは、体を無意識に動かすのではなく、意識的にコントロールすることで本来の健康を取り戻すという概念である。ピラティスは単なるエクササイズではなく、自分の身体や心に対する「気づき」を養い、未病の段階でケアする手段でもあるのだ。
ピラティスが世界に広がるまで
1914年、彼がイギリス滞在中に第一次世界大戦が勃発し、敵国人としてマン島の収容所に送られた。そこで彼は収容者たちに自身のワークアウトプログラムを指導し、体調を維持させた。また、寝たきりの患者を助けるためにベッドのスプリングを利用したリハビリ器具を考案。これが現在のマシンピラティスの原型である「ユニバーサル・リフォーマー」となった。
1918年、スペイン風邪が世界中で流行しましたが、ピラティスのエクササイズを続けていた収容者たちは誰一人として感染しなかったと伝えられている。戦後、彼はアメリカへ移住し、1929年にニューヨークでスタジオを開設。ダンサーやアスリート、医師、ビジネスマンなど幅広い層に指導し、名声を高めた。特に怪我を負ったダンサーの回復に貢献したことで、ピラティスはダンス界でも重要な役割を果たしたのである。
現代のピラティス
ピラティスのメソッドは弟子たちによって広まった。その中でもロマーナ・クリザノスカは彼のオリジナルメソッドを受け継ぎ、1989年までスタジオを運営。1990年代にはアメリカで「ピラティス」という名称が広まり、世界中に普及した。ただし、ピラティス氏が特許を取得しなかったため、名称の商標を巡る訴訟問題が発生。2000年に和解し、「ピラティス」は一般名称として認められるようになったのだ。
ピラティスの特徴と効果

- コアの安定・強化
悪い姿勢や動作パターンを修正し、正しい動きを身体に定着させる。 - 機能的な身体の使い方
身体の各パーツを意識して動かし、細やかな筋肉をコントロールできるようになる。 - インナーマッスルとアウターマッスルのバランス強化
体を効率よく動かし、バランスの取れた身体づくりをサポート。 - 姿勢改善と痛みの軽減
体幹を安定させ、脊柱や骨盤の動きを整えながら、正しいアライメントを身につける。 - 呼吸による健康促進
心肺機能を高め、新陳代謝を促進する。(これだけでもインナーマッスルが強化できる。) - 人間関係を見直すきっかけにもなるかも!?
ピラティスをして冷静になった時、今置かれている状況が自分に合っているのか冷静になれたりする。
このように、ピラティスは単なるエクササイズではなく、身体の使い方を根本から見直し、健康を維持するためのメソッドであり、はる子の体感としては人生を快適に過ごせる手助けになる!
まとめ:女医が語る、医者任せにならない健康づくりを
ピラティスは、自分の体を知り、整え、より健康な状態へと導く手段である。自分の体の治癒能力を信じ、心と身体をバランスよく調整しながら、しなやかで快適な日常を手に入れることができる。
特に、アトピーのように体質や環境に大きく影響を受ける疾患では、自分の体と向き合い、無理なく続けられる健康習慣を持つことが大切である。
ピラティスを通じて自分の体を知ることは、健康を維持する最も強力な手段である。アトピーで悩んでいる人もそうでない人も、ぜひ本物のピラティスを体感してほしい。
コメント